SNSの罠にハマる日々

SNSは、まじで危険だ…

 

天体望遠鏡の新機種の情報…、これは天からの啓示であると同時に、悪魔のささやきでもある

 

Askar SQA55の情報を初めてXで目にしたのが9月3日。翌9月4日には、すでにAmazonでポチっていた。即決が過ぎるw

まぁ、金額的に12万円と持っている鏡筒の中では安い部類に入る金額のため、割と手が出やすい(感覚がおかしい)。それ以上に、この鏡筒の凄さがSNSからビンビンに伝わってくる。星像が素晴らしい、周辺減光が少なく均一、そして軽量で使い勝手がいい。とある天文民は、”絶対買い”と私を煽った。そりゃもう買うしかないでしょ


新鏡筒 Askar SQL55ファーストライト

注文から10日後の9月14日に鏡筒が到着。9月18日に夜晴れが広がったため、早速ファーストライトを実行した!

この時期の前夜半の天頂にははくちょう座の周辺を飾る美しい星雲たちが目白押しだ。先日撮影したSadr付近の散光星雲、網状星雲、三日月星雲など…

そんな散光星雲の中で、アマチュア天文家に圧倒的な人気を誇る北アメリカ星雲。秋の夜長、絶好の撮影対象だ。264mmの焦点距離にフォーサーズカメラ、視野的にもちょうどいい。狙うはNGC7000。

バックフォーカスは55mmで、基本的にAskarはBFが統一されているからシステム構築がとても容易だ。こういう汎用性はとてもありがたい。MS-DOSからWindowsへ。システムが複雑化するほど、汎用規格化というものは大きな武器となる。


Askar SQA55/AM5/ASI2600MCpro/L-eNhance

NGC7000 北アメリカ星雲

Telescope: Askar SQA55

Camera: ASI2600MCpro

Filter: L-eNhance

Mount: AM5

Guide: ZWO30mmF4+ASI120MMmini+IR/UVcut

Setting: Gain100Temp0Exp<180s x54fits>

TotalExpose: 162min

ImageCapture: ASI AIR plus

Date: 2024/09/18 From Balcony

Software: Bias60fl/Dark35fl/Flat20fl

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240921 PI(Drz):DBE/PS+SPCC/Stretch

 


いやはや、本当にSNSの評判通りだなぁ、と関心。

何がすごいって、とにかく星像がシャープ!

 

バックフォーカスの設定が甘かったり、フォーカスが適当だったりすると、星が肥大化して写る。そのため、画像処理の段階でDecomvolutionという処理(星像をシャープにする処理)をソフトウエア的に実行する必要がある(そうしないと、写真の出来がぼやけてしまう)。ところがこのSQA55で撮影した画像の星は、コンポジットした段階ですでにとても小さく写り、ほとんどボケがない。そればかりか、星雲の細部の造形もとてもシャープで繊細に映し出されている。いわゆるBXTを実行する必要がまったくなく、撮ったままのものを完成品としてもいいくらいの(つまり画像を美麗化するための各種ソフトウエア的処理をしなくても)素晴らしい写真を得られるのだ。これには本当に驚いた。この性能で、この値段?

 

Askarすげぇ!

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240921 PI(Drz):DBE/PS+SPCC/Stretch/SN2+CT+MLT…etc

 

NonLinear処理まで実施

 


せっかくいい写真が取れたので、久しぶりにnonLinear処理までやってみた。淡い分子雲をできるだけ広範囲に描出しようとしたため、無理なあぶり出しでやや背景が明るくなってしまった。少しノイズが多い部分があり、アラが目立っている。ただ、ここまで強いあぶり出しをしても、星像や星雲の詳細な構造は崩れない。通常なら、過激な処理を重ねると星や星雲の造形が乱れてくるものだが…。これもまた、この鏡筒の凄さと言える。