今年の秋の始まりは、負け続きだ
何しろ晴れない。秋ってもっと晴れが多かった気がするのだが…おかしいな。急に暑くなったり突然大雨が降ったり、これって異常気象なのか??
と憂鬱な毎日を過ごしていた中での10月初日夜
見事に晴れ上がった
これはチャンス!
そういえば、Askar140APOにレデューサーをつけての撮影はまだ行っていなかった。せっかくの星見のチャンス、今宵は再び新兵器140APOにご登場願おう
Askar140APO/AM5/ASI2600MCpro/HEUIB-II
口径140mmのAskar140APO、鏡筒本体と同時にReducerも購入していた。×0.8のReducerをつけると、焦点距離784mmF5.6の鏡筒となる。Reducer付きSD115Sより100mmほど長く、F値も明るい。R200SSほどではないが、これはいい絵が取れそうじゃないか!
フィルターは、月明かりがほとんどない夜であったこともあり、自然な色合いを実現するためにHEUIB-IIを使用することにした。
本体と同時に購入したReducerとFlattner、意外とFlattnerよりReducerのほうがコンパクト。だけど、持ってみると結構重量があり、大きな本体の総重量が更にアップする。AM5に乗っけて大丈夫だろうか…という不安を抱えながら、しっかりバランスウェイトを取り付け、三脚中央にもおもりを乗せ転倒防止策完璧!
それでも、やっぱりひっくり返るんじゃないかとヒヤヒヤしながら撮影を見守った。この子を放置して出かけるなんて…とてもじゃないけど無理だなぁ
Telescope: Askar 140APO+RD(x0.8)
Camera: ASI2600MCpro
Filter: HEUIB-Ⅱ2''
Mount: AM5
Guide: SV165+ASI120MMmini+IR/UVcut
Setting: Gain100Temp0Exp<180s x31fits>
TotalExpose: 93min
ImageCapture: ASI AIR plus
Date: 2024/10/01 From Balcony
Software: Bias60fl/Dark35fl/Flat30fl
Edit History]
241001 PI(Drz):DBE/PS+SPCC/BXT/NXT/Stretch/nonLinear
NGC6888のみに照準を合わせて撮影したのは、2023年8月25日にZWO FF107APOで撮影して以来一年以上ぶりだ。はくちょう座のSadrを中心とした散光星雲の一員とも言える星雲で、その形状から三日月星雲と和名で呼ばれているが、レトロゲーム好きの私から言えば、NAMCOのゲーム”ドルアーガの塔”のレッドスライムにしか見えない。形といい色の写り方と良い、こいつがダンジョンの中をプルンプルン動いている姿が、思いっきり目に浮かんでしまう。
とまぁゲームオタクの戯言はさておき…
上の写真は、初回編集の結果ではない。実は、初回編集は撮影したLight Flameをすべて使い、Integrationから画像処理を行ったのだ。ところが、出来た画像を見ると星像に歪みが見られた
撮影したLightFlameすべて使用して編集したもの。よく見ると、明るい星の周辺に暗い筋が入っているのがわかる
あれ?なんだコレ??
と考えてふと、撮影した画像の良し悪し選別を実施するのを忘れていたと思い返した。
天体撮影では必ず長時間露光をするため、露光中に雲が通過したり風が吹いて鏡筒が揺れたりすると、星が歪んだり流れて写ってしまう。こういった星や星雲の写りの悪い、いわゆる”不良Flame"を除いた状態で画像統合や処理をしないと、星の歪みがそのまま最終結果の写真に反映されて、出来上がりの質が落ちてしまうのだ。特に、今回のAskar140APOのような長い焦点距離の鏡筒では、僅かな風や地面の振動でで鏡筒が揺れてしまう。まぁ、自然現象にはどうやったって敵うべくもないのだが(もし風の影響を減らしたいのであれば、天体観測ドームを設置するしかないなぁ)。
今回撮影した画像を一つ一つ確認したところ、およそ20枚ほど星の歪みやブレが生じたFlameを確認した。全体のおよそ3割…これは多いな。除外すべきFlameが多くなれば、当然少ない枚数で画像統合から処理を行わなければならず、その結果として、画像統合によるメリットの”低ノイズ”や”淡い天体のあぶり出し”などに不利に働くことになる。天体写真の画像処理にとっては、使用可能Flameの極端な減少は割と致命的な問題だ。
多少画像の質が落ちてもより多くのFlameを使うのか、それとも厳選したFlameを使用してデメリットを許容しつつ質をある程度確保するのか、このあたりは多くの天文家が悩むところではないだろうか…
まぁ一般的には、不良フレームを除外して、厳選したフレームのみで処理することが薦められるのだが、何しろ撮影にかけられる時間が少ない中でせっかく入手した大事な画像である。一枚たりとも無駄にはしたくないという気持ちも、わかってほしい(誰に?)
というわけで、およそ50枚ほど撮影した中から20枚ほど不良フレームを除外して処理しなおしたがの、最初に上げた画像である。まだわずかに明るい星の周囲の黒い筋が見られるが、まぁ遠目にはほとんどわからないし許容範囲だろう。写真の出来としては満足だ。
と、まぁそれなりに順調に写真完成に至ったように書いたのだが…実は
とんでもないアクシデントが鏡筒をおそった
撮影を終え、鏡筒のフードを収納しようとしたのだが、妙に動きが悪い。いつもはスムーズに動くはずなのに、何故かすんなりと収納一までフードが戻らないのだ。そういえば、設置のときもフードの動きが悪かった気がするが、それ以上に撤収時のフードの動きが悪すぎた。何かがおかしい…
架台から鏡筒をおろし確認したところ…
うぎゃああああ
なんだコレ??フードの裏側についていたフェルトのテープが剥がれて、鏡筒本体に張り付いてしまっているではないか!?
なんということでしょう
どうやら、鏡筒とフードの間にスペーサーとしてフェルトのテープが貼られていたのだが、どうもこれがフード収納の際にフード裏側から剥がれ落ち、三分の二周程度にわたり鏡筒側にくっついて収納を邪魔していたようなのだ。なんとか引っ付いたフェルトテームを剥がし、フードに付いていた残りのフェルトテームも剥がしきったが、鏡筒にはのりが張り付いてしまっていた。これは明らかに初期不良ではないか??だって、納品して一ヶ月だよ?観測2回目だよ?
販売店に連絡したところ、代理店とやり取りしてどうやら修理の方針となったらしい。うぅ、購入して一ヶ月で入院かぁ。まぁ、ヒトの作るものだからある程度の不良品は仕方ないけどね。そりゃ完璧な商品なんて存在しないし、どんな優秀なメーカーの商品でもリコールが出る可能性はゼロではない。治るのであれば、まぁそれでいい。ただ…
これから秋の撮影シーズンだというのに…140APOでの撮影はしばしお預けになりそうだ
まぁ、この鏡筒以外にも素晴らしい性能の鏡筒を持っているので(他に8本も…)、しばらくはいろいろな鏡筒を出動させ、140APOの帰りを待つ間に空を撮りまくろうではないか!
最後に大きなトラブルが待ち構えていたが、まぁフードの裏のフェルトがなくても動かないように固定はできるし、撮影に支障が出る部分ではないから、入院までの間もうしばらく140APOを使ってもいいだろう。
写りは決して悪くない。口径の大きさの割に手の出しやすい金額、それでいて性能は高い。Askarの本気を垣間見えるいい鏡筒だと思う。これから本格的な天体撮影シーズンに突入だ。昨年秋以降に新たな鏡筒を2本迎え、ますます充実したラインで撮影を楽しもうと思う
というかさぁ…お願いだからもう少し晴れてよぉ
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