2023年11月22日、我が家にNew Gearがやってきた!その名も
Seestar S50
そう、今話題の超お気楽簡単電子観望マシーンである。なんたって、置いて数分で撮影開始。極軸合わせもピント調節もいらない。1枚露光時間は10秒固定だが、経緯台が天体を追いかけながらガンガン撮影して重ね合わせてくれる。まさに、天体観測の革命!技術革新の勝利!
時代は、未来に向かって加速している
ということで、初期設定して(簡単)設置。すべてが簡単、というか、普段やっている天体観測における観測機器の設置から曲軸合わせ・ピント調整・撮影設定など…各種設定作業をすべて省略した形で、単純にSeestarを制御するスマホアプリをインストールしてちょっといじるだけ。あとは置いたら勝手に導入して撮影開始!まぁなんというか、便利になると人間退化しかねないなぁと実感できてしまうこの事態に、若干戸惑い。
しようとしたのだが…どういうわけかうまく動かない。というか、月明かりがまばゆい夜だったので、まずは月を導入しようとしたのだ。ところが…
うまくイカない、何度やっても導入できない。なんでだろう…とSeestar君を見てみると
何故か、水平方向に回転してくれない
え?なにこれ故障?初期不良?
原因は…、結局三脚の問題だった。最初は、元々持っていた比較的背の高い三脚を使用したのだが、機器接続部がくぼんでおり、Seestarの底にある回転台がくぼみにすっぽり収まってしまい、そのくぼみ周囲の出っ張りでSeestar自体が三脚に完全に固定されてしまっていた(説明がうまくない…)
こりゃ回らんよ
Seestar付属の三脚に取り替え、設置し直し…。すぐに導入成功!付属の三脚は妙に低いので、できれば高い三脚を使いたい。使用方法を考えないとなぁ
この日は、このSeestarに加えて
FRA400+RD(x0.7)+L-eNhance+ASI2600MCPro
での撮影も同時進行した。数日前に撮影したフライングバット星雲のリベンジ撮影だ!
ファーストライトは月。見事に導入できて、何枚か静止画撮影したあと、動画撮影。その動画から編集したのものが上の画像。拡大するとあらさが目立つが、写りは悪くない。こんなに簡単に月が撮影できるとは…これは旅行先での撮影が楽しみになるなぁ。旅館で星空を撮影しながら飲む…いいねぇ
こちらは、 Seestarで撮影したM31を撮影し、スタックしたもの。飛行機の軌跡が入ってしまったが、黒い帯もちゃんと写っている。これは本当にすごいことだ。銀河がこんなに簡単にきれいに撮影できる。これを編集したら、かなり良い映像になりそうだが、飛行機に邪魔されたw
[ Taget: SH2-129 <フライングバット星雲> ]
Telescope: FRA400+RD(x0.7)
Camera: ASI2600MCpro(1)
Filter: L-eNhance
Mount: AM5
Guide: ZWO30mmF4+ASI120MMmini+IR/UVcut
Setting: Gain100Temp0Exp<180s x53fits>
TotalExpose: 159min
ImageCapture: ASI AIR plus
Date: 2023/11/23 From Balcony
Software: PI PS Bias+/Dark+/Flat+
[Edit History]
231124 PI(Drz):DBE/SPCC/SCNR/NXT/Stretch(HT/Arcsinh/Masked/Masked/HT)/CT/NXT
Seestarと並べて、もう一台設置してあったFRA400で撮影。これは11月19日に同じ鏡筒でASI294とHEUIB-IIを使用して撮影した天体のリベンジと言うべき撮影。フィルターの選択で、星雲の詳細がうまく描出できなかったと考え、月明かりが強いこともあり、この日はワンショットナローフィルターを使用して同じSh2-129を撮影してみた。その結果が上…
いやぁ、細部の描出についてはあまり変わらないなぁ。ナローにしたことでもう少し精細に浮かび上がるかと思ったが、そうもいかなかった。元々の星雲がかなり淡いので、180sec露光ではこれが限界なのかもしれない。今度は300sec露光に挑戦してみようかな。とにかく色々やってみる、これが大事。
兎にも角にも、Seestarはすごい!天体撮影の革命と言って良いかもしれない。現代において、科学技術を駆使した時短・簡単・便利グッズが、世の中に溢れまわっている。インターネットの時代、体感時間は加速し、無駄を省きできるだけ簡素…に対する要求がどんどん高待っている昨今。まさに、この時代の潮流に合わせて出現したSeestar。出るべくして出たマシーンというほかないだろう。
置くだけ撮影、このパワーワードがこれからの天文観測のあり方を変えていくかもしれない。もちろん、ガチ天がなくなることはないだろう。このマシーンでは撮影できない、より高度な天体の描出を求める流れも決して留まることはない。
ただ、天文界隈が高齢化していると某SNSで話題になっていた。それは事実だとおもう。何しろ金がかかるし、合理主義社会においては夜中に暗闇と寒さの中で、睡眠不足になりながら金にもならなそうな星空をただ撮影しているだけ…。半世紀を生きた自分は実感する…若者に受け入れられるはずもないじゃないか…と。
そんな中、この簡単マシーンは今の合理主義者会にはとても馴染みやすいと思わせてくれた。写真や動画をAIが編集してくれるようになった便利時代、余計な労力を使わないこのSeestarという新たな”アイテム”が、きっと新たな若い天文ファン(オタク)を増やす役割を背負ってくれるに違いない(と思う…そう期待しよう)。
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