10月も半ば、徐々に秋めいて…ってこの暑さなに??秋の予感が全然してこない。日中はまだ夏の日差し…
とはいえ、夜になるとややひんやりしてくる。そして、秋のお空は澄み渡る!そう、透き通った空の季節が到来した。ようやく思う存分、雲に追い回されずに星見を楽しめる時期となったのだ。これは…、寝不足確定だな
10月15日日曜日、夜は快晴で絶好の星見日和。早速バルコニー天文台始動としよう。いつものように書斎で天体望遠鏡の準備。とりあえず、鏡筒にフィルターとレデューサー+フラットナー、ASIカメラ、ASI AIR、ガイドカメラを取り付け、USBと電源ケーブルの配線をしておく。こうやって、バルコニーに設置した赤道儀にヒョイっと乗せれば、とっても効率よく観測の設定を始められる。準備の時短、徐々に洗練されてきた。
今回の観測セットは
SD81SII/FLRD+ASI2600MCpro+IDAS DTD
お手軽観測セットだ。SD81SIIはコンパクトながら、星の写りは非常に良好、ASI2600MCProとの組み合わせはとても気に入っている
そして、今回は購入したばかりの新フィルターIDAS DTDを使用することにした。このフィルター、可視光領域は星雲の強調をしつつ、近赤外領域を連続で捉えて、星雲銀河を高コントラストで捉えてくれるもの。”夕暮れから夜明けまで”をコンセプトとした新世代フィルターだ。楽しみ♪
[ Taget: IC1396 <象の鼻星雲> ]
Telescope: SD115S+FL+RD(x0.79)
Camera: ASI2600MCpro(2)
Filter: DTD
Mount: SXP2
Guide: SV165+ASI120MMmini+IR/UVcut
Setting: Gain100Temp0Exp<180s x36fits>
TotalExpose: 108min
ImageCapture: ASI AIR plus
Date: 2023/10/15 From Balcony
Software: PI PS Bias+/Dark+/Flat+
[ Taget: NGC7635 <バブル星雲> ]
Telescope: SD115S+FL+RD(x0.79)
Camera: ASI2600MCpro(2)
Filter: DTD
Mount: SXP2
Guide: SV165+ASI120MMmini+IR/UVcut
Setting: Gain100Temp0Exp<180s x24fits>
TotalExpose: 72min
ImageCapture: ASI AIR plus
Date: 2023/10/15 From Balcony
Software: PI PS Bias+/Dark+/Flat+
この日は、IC1396とNGC7635の二対象に絞り、できるだけ長時間を目標に撮影を行った。と言っても、翌日が平日のためそれほど長い時間は撮影できない。できることなら、3時間程度の露出時間を実現したいところだ…。どうしたら長時間の露光が可能となるのか
そうだ!二晩に渡って撮影して合成すればいいじゃないか!
早速翌日10月16日も同じIC1396とNGC7635をほぼ同じ構図で撮影することとした。右は、10月16日に撮影したNGC7635。IC1396も撮影したけど、jpg保管してなかった(PIでStretchまではやったんだけど…)。
ちなみに、15日撮影後撤収した際に、観測セットをバラしてしまった。これはやるべきではなかったと後々後悔することになる。
これら二天体を二晩かけて撮影、すべての画像(fitsファイル)をPixinsightに登録して、それぞれの日およびそれぞれの天体でWBPP処理を実行。それらをDBEで光害除去した後、PixelMathで合成した(15日と16日にそれぞれ撮影した枚数に応じて重みをつけて、それらを足し合わせ、総枚数で割って平均を求めるやり方で処理)。
合成する前にStarAlignmentを実行し、両日の画像の構図を正確に合わせる作業をした。そうしないと、PixelMathで綺麗に足し算ができないためだ。この処理で、目標天体の周辺領域をだいぶクロップすることになった。というのも、一晩目の終了後に観測セットをバラしてしまったからだ。お陰で、カメラの取付位置などが微妙にズレてしまい、写真の中で重ね合わさらない部分が多くなってしまったのだ。数日に渡って同じ天体を撮影するのであれば、撤収時に観測セットをバラさないほうが圧倒的にいい。これは良い学びとなった…余談
で、合成した画像を色合わせ・ノイズリダクション等実施し、Stretchで完成させた。合成により、総露光時間は、両天体ともほぼ3時間程度となった。星雲の詳細や周辺の分子雲がより明瞭に描出された気がする…と思う(ちょっと自信ない)
[ Taget: IC1396 <象の鼻星雲 合成> ]
Telescope: SD115S+FL+RD(x0.79)
Camera: ASI2600MCpro(2)
Filter: DTD
Mount: SXP2
Guide: SV165+ASI120MMmini+IR/UVcut
Setting: Gain100Temp0Exp<180s x58fits>
TotalExpose: 174min
ImageCapture: ASI AIR plus
Date: 10/16-17 From Balcony
Software: PI PS Bias+/Dark+/Flat+
[ Taget: NGC7635 <バブル星雲 合成> ]
Telescope: SD115S+FL+RD(x0.79)
Camera: ASI2600MCpro(2)
Filter: DTD
Mount: SXP2
Guide: SV165+ASI120MMmini+IR/UVcut
Setting: Gain100Temp0Exp<180s x60fits>
TotalExpose: 180min
ImageCapture: ASI AIR plus
Date: 10/16-17 From Balcony
Software: PI PS Bias+/Dark+/Flat+
デジタル撮影の良いところは、画像が数値(整数)よって描出されているということだ。数値(整数)ということは、足し算や掛け算割り算など単純な計算が可能なのである。そもそもに、WBPPでIntegrationされた画像というのは、複数枚撮影した画像を加算平均したもの(すべての画像の同位置ピクセルを足し合わせて、総枚数で割り算し平均を取ったもの)。単純な計算で出た結果であれば、単純な計算で二日分の画像も足し合わせることができるのが道理。総露光時間をできるだけ長くするためのテクニック、フィルム現像による天体撮影にはない電子観望に特徴的な処理方法だ。
今回は、二日間のフィルターを同一のもので撮影したが、フィルターを変えて撮影したものを合成することも可能だ。素晴らしい!このようなことを可能にしてくれるPixinsightというソフトウエアの素晴らしさを改めて実感することとなった。
あなたもジンドゥーで無料ホームページを。 無料新規登録は https://jp.jimdo.com から