2022年9月、いよいよ天体望遠鏡を注文する時が来た。お空の撮影を始めてから約半年。この間、どの鏡筒を購入しようか、赤道儀はどうしようか、どこのメーカーがいいのか、そもそも屈折にするのか反射にするのか…。ネットに溢れる様々な情報の奔流に翻弄されながらも、ファーストギアとして自分が持つべきものの具体像が徐々に見えてきた。
まずファースト鏡筒として屈折望遠鏡、しかもそれなりに口径の大きいものを選びたい。メーカーは子供の頃から憧れのVIXEN、となると選択はほぼ一つに定まる。
鏡筒:VIXEN SD115S
続いて赤道儀。そもそも赤道儀がどういった役割があって、どのような機種が良いのか、どの程度の大きさのものなら妥当なのかさっぱりわからない…。ただ、ここで素晴らしい援軍が待っていた。天文ショップのセット販売である!そもそも、天文ショップは天文ギヤについての知識は豊富なはずだ。そのショップがセットとして販売しているものであれば、まぁ選択に間違いはないだろう。その中から選べばいい。VIXENの鏡筒は決定していたので、自ずと赤道儀もVIXENということになる。
で、どの赤道儀??高価なものから安価なものまで色々取り揃えているぞ…。どれがいいのか、その選考基準の一つがPCとの接続だ。すでにこのときにStellaShot2という天体撮影を支援してくれるソフトを購入していた。となれば、PC(ソフト)と接続できることが大前提である。VIXENであれば、Starbook TENというコントローラーが付属しているものであることが必須だ。Starbook TEN赤道儀の中でSD115Sとのセット販売があり、しかも金額が妥当(まぁ要するに自分の中でこれなら払えるという金額)であるもの…として選択したのが
赤道儀:VIXEN SXP2+三脚 (SD115Sとセット販売)
更に、色々調べてみるとVIXEN鏡筒にはレデューサーとフラットナーというものがつけられる。これらは、星の写りをより良くしてくれるレンズらしい。これは買っておいたほうがいいだろう。
付属レンズ:フラットナーHD・レデューサーHD
2022年10月1日、ついに鏡筒が届いた
直前に、台風による流通の混乱で到着がやや遅くなったが、まぁ無事に届いてくれてよかった。開封して並べたのが上の写真。いやぁ…、これからちゃんと使えるようにするために分厚いマニュアルを読破しなければならないのか。厳しい道程になりそうだ。
まぁそれはさておき、とにかくニンマリ、ついにキター!!マイニューギニア、これからの人生のお供となる天体望遠鏡。期待に胸膨らみまくり!嬉しいなぁ、何撮ろうかなぁ、すぐ組み立てたいなぁ。。。
なんて言う喜びも、組み立てと操作がちょっと難しそうなギアの姿に尻込み…なかなか手が出ず、二週間ほどはこのまま放置してしまったww。何しろ説明書が分厚いし、StarbookTENの操作は覚えるのに時間がかかりそう。ん~、とりあえず少し時間を置こう(なぜ…)
ちなみに上の写真、望遠鏡・赤道儀・三脚の他にレデューサー・フラットナーも同時購入して着弾している。
10月13日、ついに重すぎた腰(笑)を上げて書斎で望遠鏡を組み立てた!
赤道儀と三脚の取り付け方、軸を北に合わせる設置の方法、鏡筒の乗せ方、固定の仕方…すべてが初めての経験。期待と不安、ワクワクとドキドキ、複雑な感情が入り混じりながらも、美しい天体写真が自分の手で撮影できることへの喜びに、ついつい口元が緩んでしまう。
分厚いマニュアルを見ながら、注意深く組み上げ。何しろ、赤道儀が予想以上に重いので、書斎の床に落としたら大変なことになる。赤道儀の表面は金属で滑りやすい…これは滑り止めグローブが必要だな、なんて思いながら鏡筒を赤道儀に乗せてついに!
夢にまで見た天体望遠鏡システムが目の前に出現した。
なんて感動していて、写真をすっかり撮り忘れていた(笑)
赤道儀を操作するSTARBOOK TENコントローラに電源を入れ、SXP2を動かしてみる。ウィーンという心地よい作動音、それに合わせて鏡筒が微妙に動いていく。これが高級(笑)赤道儀か…ポタ赤しか使ったことがなかったから、すべてが電動の赤道儀に感動する。極軸をしっかり合わせて、アライメントをしっかりやれば、目的の天体に自動導入できるらしい。素晴らしい!これなら、ほとんど肉眼では見えない遠い天体も、苦労なく鏡筒の視野におさめられるわけだ。これは期待が高まるなぁ
そして、この初組み上げから2日後、とうとうバルコニーに実際に設置して天体撮影を行うときが来た
2022年10月15日、書斎から出ることのできるバルコニーに天体望遠鏡を設置した
このバルコニーは、もともと天体観測をするよう自宅建築の際に設計していたものである。将来的には、天体ドームを設置するつもりでいるのだが…
写真は、EOS M200で撮影した初設置の様子。暗い中での撮影で、ピンボケ…(汗)
子供の頃、父親に買ってもらった望遠鏡を設置して星を覗き見てから実に40年、再び宇宙と向かい合うときが訪れた。
いやぁ、めちゃくちゃかっこいい!
その重厚感あふれる佇まいに、思わず目尻が潤う。これから、こいつが夜の相棒だ。よろしく頼んだよ!
で、初めての天体写真がこれ
SD115Sに20mm接眼レンズとファインダーを取り付け、型通り極軸合わせとアライメントを実施。その後、STARBOOK TENで導入し、EOS M200とEF-M15-45mmズームレンズを接眼レンズに当ててコリメート撮影した木星。微妙に縞が写っている!すげぇ
後々みれば稚拙な出来栄えだけど、初めて天体を撮影できた喜びは何にも代えがたい。何にしても、とりあえず天体望遠鏡の使い方に慣れること、まずはそこからだ
更に、スマホXPERIAでコリメート撮影
これもまた微妙な写りだけど、木星の縞はちゃんと写ってる。スマホでも天体が撮れる時代ってのはすごいなぁ。スマホコリメートという撮影方法があるらしく、天文界隈ではかなり受け入れられているようだ。天体撮影は、オタクマニアによるかなりニッチな没入世界ではなく、空を愛する多くの人が手軽に楽しめる趣味となりつつある。それは、スマホの高性能化と画像処理技術の革新がベースにあり、それを使いこなすためのTipsがYou Tubeをはじめとした動画投稿サイトに数多くアップされ、無料で見放題だという世の流れが導き実現した世界なのだと思う。この時代に生きていて良かったよ
この日の最後に、接眼レンズを5mmに変えてEOS M200でコリメート撮影。まだピントがあまりけど、木星の縞模様に加えて大赤斑が写っていた。初めてにしては、素晴らしい成果(だと思う)。いい買い物をしたなぁとしみじみ感じるとともに、この機器を使うこなすにはまだまだ時間がかかりそうだと気を引き締めた。
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